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花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ=井伏鱒二=
by na-boo
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救急車を呼べない家人
先日、近所に借りてる事務所で連日徹夜仕事の夜中のことだ。
家のNちゃんからam3時くらいに電話があった。

胃のあたりが痛く、もう動けない、という。
我慢強い彼女が救いの手を求めているとは、よほどのことだと
察知した。聞けば3時間くらい我慢しているという。限界のようだ。
こりゃ大変だ。

ワンメーターをタクシーに乗り、
慌てて帰宅すると、リビングにNちゃんがエビのように丸く倒れこんでいた。
顔色が真っ青だ。

わぁあ!救急車呼ばなくちゃ!呼ぶよ、歩けないやろう。
と声をかけると

「救急車呼ぼうと思ったけど、部屋が散らかってるけん、
呼べなかった ツツ痛・・・歩く。。。。」

と、ひねり出すような声で、なんとも哀しい返答が戻ってきた。

そ、そ、そっか。
そうなんか。
し、仕方ない。
な、なんだかとっても、仕方ない。

イタタタタタイタイイタイとゼイゼイ言わせながら
下の大通りまで歩かせた。

私、こんなときにおんぶさえもできん、非力ですまん。

夜間診療で応急処置をしてもらい、翌日病院に行くと、
手術をしなければならないほど、大変なことになってたようだ。
(今は元気です)

いやいや、
ほんとに。

私のおかんは、他界する直前に、私が救急車を呼んだら、
下着をはき替える!!!と死者の顔色のくせに、
そんなバカなことを言い出したのを思い出した。

はきかえんでヨカ!て。

なんだかわからないが、
母にはこの後に恥ずかしい思いをしたくない、という気持があったのだろう

生に向かっての行動だから、今となればとても切ない。悲しみ通り越して喜劇すぎる。

母のこともあるし。
部屋が散らかってるくらいで、命を落としたらいけんよ、Nちゃん。
恥ずかしいも怒りも嬉しいも、良かった、も
ぜんぶ、生きてこそのモノダネなんだから。

ほんと、頼みますよ。部屋が汚かろうが、
下着にそそうをしようが
そんなこと、もう、人の命に比べたら
まったくもってどうだっていいんだから。

どうだっていいと思ってください。ほんとに、お願いします。
泣くよ自分
by na-boo | 2009-10-14 01:24 | 日記だび
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