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私が働いている会社は郊外にあり、大変不便だ。
ランチを食べに行けるような店も少なく、終業後フラリと行ける深夜営業の飲み屋もない。 街の流行にも、グルメにも遮断された陸の孤島だ。 福岡市は山も海も街も豊かで魅力ある街なのだが、その恩恵をひとつもこうむらない地域にこのビルはあるのだ。 こんな場所にある社内では 、街中によく落ちているハプニングやレアなニュースなどは皆無だ。会社近くにきれいなおねーちゃんがいた、とか涼しい顔したあんちゃんがあの店にいる、なんて会話なんぞ社内で聞いたこともない。 私が今日、通勤途中にあった出来事といえば、乳母車に犬をのせたお婆さんと会話した、ということだけだ。これだけでわかるだろう。聞くも涙、語るも涙の網走番外地のような場所なのだ。 だから、先日も終業して野G氏と「メシ食い行こう!」という話しになっても、わざわざタクシーに乗って、たいそうに移動しなくてはならないことになる。 タクシー代をつかえば、もうちょっと飲んで行こうか、という話しになるのは当然だ。 私たちは2軒目に中洲の赤い看板のバーへ入った。行き当たりばったり、二人とも初めて行く店だ。野Gさんはバランタインというウイスキーを飲み、私はバーボンを飲んだ。時間は2時くらいだったろうか。 そこへ、だ。 そこになじみの顔ぶれが現れた。 会社のSさんとNさん、Hさんが店のドアを開けて入ってきたのだ。 互いに目を丸くして驚く。 閉塞的で退屈なビルから飛び出し、別々の明るいネオンにそれぞれが散ったはずなのに、バーは再び社内の空気になる。まぁ、いい。パソコンの前でなく、顔をつきあわせてしゃべってるんだから百倍楽しい。しかし、この広い繁華街での奇遇に、ほんとうにまぁ驚いた。 会社がもっと街にあったらなぁ。 刺激的な飲んだくれライフに、玉手箱を開けるのも忘れていたいなぁ。
by na-boo
| 2005-04-29 20:15
| 日記だび
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