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花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ=井伏鱒二=
by na-boo
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自転車チキンレース(2)
電柱から屋根にのぼると、近所のおばさんからヤカマシ怒られるし、田んぼに向かって石を投げても怒られた。川は干上がってたし。虫取りはラジオ体操前に行ったし。学校のプールまでは時間があるし。家にいても怒られるし。田んぼのほかはなんにもなかったし。なにより長い長い夏休みにはほかにスリリングな遊びがなかったのだ。

自転車はみんなが持っているものではなく、だいたい3人に1人くらいが所有していた。私はすぐに置いてきて失くすので、いつも自転車を持ってなかった。どこに行くにも足軽のように馬回りにくっついて走るか、2人乗りをさせてもらった。2人乗りも、どんどんエスカレートしてきて、人を乗せたまま手放しをしたり、3人乗りや4人乗りなどをした。

カサブタをつくることで親に怒られたことはなかったんだけど、ある日、近所の2歳年下のコに大ケガをさせてしまって、そんときはさすがに反省した。
事件は私が運転した3人乗りのときだ。まず、私がまたがる。その後に同じ年齢の私より体重の軽い男の子がピタリと乗った。その後にその男の子の妹、小学校2年生の女の子が乗った。

私は、最初のひと漕ぎを全体重をかけ、ヨッシャ、と回した。よっぽど気合いを入れないと3人のりは発車できないのだ。
なぜか、進まない。グググ、とペダルを踏む。
そのとき、2年生の女の子がうしろからウワーンと大泣きした。ゴ、ゴム草履ごと、あ、足が車輪に挟まったのだ。大量の血が地面に吹き出ていた。

(つづきは気がむいたときにでも)
by na-boo | 2005-08-19 14:22 | 昭和の怪犬・ダイスケ
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