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昨日は、どうしても、どうやってでも飲みに行きたい日だった。
仕事も慌てる必要はない。ひさびさに1人で飲みに行こうと思った。 夕方ごろ、会社のIさんが「今日は財布に80円しかない」と言っていた。50も越えたいい大人が、である。もちろん私も全財産24円しかないといった事態は頻繁にある。けれど、人の話だと、だらしがない哀れな大人だとさえ思えてしまう。自分のことは、うんと高い棚の上の上に置いた。つまりは他人ごとだ。 私のバッグの中の赤い財布にはIさんの100倍の8000円くらいは入っているハズだ。ちょっぴりリッチなのだ。 私は鼻で笑い「貸しましょうか。トイチの利息で」と大きく出ながら言ってみた。「ビッチ銀行あるとき払いのトイチの利息」だ。鬼だ。これは私のモチネタではなく、いつもIさんに言われていることを言い返してみただけのことだ。 Iさんは「むむむむ(-_-; 。」という顔をして、「私はそこのコンビニくらいツケがきくんです」と誇らしげに言い放ち、外出。数分後にカップヌードルを買って戻ってきた。私に無心するのはよっぽど屈辱だったのだろうか(笑) カードでカップヌードルを買うわけがない。ほんとうにツケで買ったのだろうか。 おそらく、これは私の見解だが、 「あ、しまった。財布、忘れてきたヨ」と三文芝居を打ったんではなかろうかと思われる。 きっとそうだろう。 きっとそうに違いない。 さて、 さて、貧乏人はほっといて、飲みに行こう。 カップヌードルをズルズルとススるIさんを横目に、私は早々に退社準備をした。 すると、するとである。 財布がないのである。どうやら、ポケットの小銭に安堵して、財布を家に忘れてきていたようなのである。 ということはつまりは、だ。つまりはこうだ。 「飲みにはいけない」ということなのだ。そういうことなのだ。 たちまちIさんのことが笑いごとではなくなった。 飲みに行こうと思っていたのに、楽しみにしていて、心躍っていたのに。急にポッカリ時間が空いた。再び座って仕事には戻れない。もうPCモニタとニラメッコなんかは出来るはずがない。今日はたくさんの労働者を置いて私は帰るのだ。帰って誰より早く極楽浄土へ歩き出すのだ。 私の五臓六腑はフル回転で脳をつかえと命令した。あれこれ飲みに行く手だてを考えた。まず、Kさんに1000円借金。博多駅まで電車賃200円投資して郵便局へ行くことにした。財布は忘れたが、通帳はバッグの底に沈んでいた。これがあれば、怖いモンなしよ。 電車の中で博多駅近くの、昔行きつけだったお店にメール。「博多駅近く行くから、ちょっと寄るね。」マスターから返信「ちょっととは言わずにゆっくりどーぞ^^」 ヒューヒュー。そうでなくっちゃね。 郵便局到着。 「あ。」 そうだった。郵便局の通帳も磁気が弱っていた。何度差し入れても、出てくる。引き出せない。困った。 そこで、だ。私は考えた。金はむろん、無い。 もうこれはツケにしてくれと開きなおろうと。 「しまった財布を忘れた」の三文芝居だ。 店主にメール。 「あのね、財布、家に忘れて、今日、お金ないんだぁ」 数分後。 店主から返信。 「あ〜。最近、縁がないねぇ。またおいで〜」 ここの店は、1円もなくてよく飲みに行った店だ。ツケまみれだったが、常連だった。私は最近、金がある日は薄情にもほかの店に行ってしまっていた。店主はそんな心離れした客には以前の優しさを与えてくれなかったのだ。 金の使い道はいろんなことを教えてくれる。人の情けも、地獄の沙汰も金次第なのだ。 私はそのまま電車で帰宅。 電車代の無駄だ。 ずいぶん大回りして帰ってきたもんだ。 なんだかなぁ。なんだかなあ。 帰り道。どこかで美味しい匂い。 井尻のバーで食べたロールキャベツを思い出す。 お腹がギュルルルル・・・・ 深夜営業のスーパーで酒とカップヌードルを買う。 Iさん、貧乏を鼻で笑ってすんません。 帰れば財布があるんだが、なんだか、もう疲れた。 今日もその余韻が残り、仕事もアイマイ。 飲みに行く気もアイマイ。 まぁエエか。 なんもかんも忘れっぽいのは私の神髄。三つ子の魂100まで。ちゃっちゃい時から忘れるのは誰より上手。 中学生のころ、壁ならぬ、前人未到の後ろのドアまでマッカッカの「忘れ物グラフ」が永遠に延びてた私だ。こうなりゃどこまでも大将でいこうではないか。ズボラけっこう。デリカシーのかけらもないのも仕方ないやん。許そう。自分を貫くなら、キバるで。 明日は飲むばい!飲みいくばい!!私は誓う。 誰がなんて言おうと飲みに行くバイ! バイのバイのバイだああ
by na-boo
| 2005-11-06 03:28
| 日記だび
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