花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ=井伏鱒二=
by na-boo
<   2009年 06月 ( 3 )   > この月の画像一覧
カッパのビッチ
朝方、ふと目をさまし、
50歳になったときの自分を想像してしまった。
考えれば考えるほどに、お寒い気持ちで眠られなくなった。

今のままでも良い気はするが、私はいかんせんプライドが人一倍高い。
自分で「けっこうやるなぁ、自分」と思っていなければ
生きている意味さえ見失ってしまう。
そのうちビールだって不味くなるに決まっている。
だから、このままの人生では、ちょっと自分自身おさまりつかない。

よし!ここ一番頑張って、ヘビーな資格でも取ってやるかと
猛烈に果敢に、独学にて勉強を始めることにした。
たぶん私ならできるだろう。きっとできる。と暗示をかけながら。

パソコンが近くにあると、「今」というものに気が散るので、
ベランダに捨ててあった、朽ちた木製テーブルを洗い、
別の部屋に、ときわ荘のまんが家が使うようなスペースをつくった。

勉強やるならやはりえんぴつだ。えんぴつを探す。
えんぴつ(黒3、赤1)と、えんぴつ削り機と、
参考書と、法律書と、ノートだけを置いた。
気分は昭和中期の浪人生。準備は万端星人だ。

エアコンの除湿を入れ、快適に勉強を始めた。
すらすらすら。頭がからっぽなので、新しい情報が頭にどんどん入る。
おお、これって、けっこう、イケるんじゃない。
勉強なんて、あんがい屁のカッパなんじゃない?
なんて気分よく勉強した。

そして美味いビールをいつもよりも多めに飲んだ。
仕事あとのビールもうまいが、勉強のあとも美味いね。

翌日。
トイレの便器に座り、昨日覚えたことを、ソラで言ってみようと思った。
「……」

出てこず。
え、何が? いや、もちろん、覚えたものが、だ。
昨日覚えたものはなんだったのか。こんなにクリアに忘れれるものなのか。
しかし忘れるにもほどがあるだろう。

あれ、この感じ。なんか、過去に何度も何度もくり返した。
そうだ。テスト当日の朝とか。
そして、ああ、鮮明に思い出したことがあった。
「私は、勉強がひどく苦手だった」

屁のカッパどころか、尻子玉を抜かれたような気分になった。
[PR]
by na-boo | 2009-06-30 14:26 | 日記だび
水に流そうぜ
先日の日曜日は、H君の中学校の運動会だった。
明日の弁当の下準備を軽くしておこうと台所に立った夜10時、
我が家では、とんでもないハプニングがおこった。

b0053867_1961259.jpg台所の洗い物、回していた洗濯機、お湯を抜いた風呂の、共通の排水が突然にして完全に詰まったのである。玄関先は全面水浸しだ。
第一発見者の私は、平常心の塊なのだが、それでもその際、尋常ではない叫び声をあげたという。

これが平静でおられようか。なぜなら、つい先日、階下のおじさんからの水漏れ容疑で一悶着あったばかりなのだ。(小声でもうひとつ言うと、彼はチトうるさい人で、近隣に居て欲しくない意地悪型人間なのだ。)
その時も、家の水回りを撮影され、結果、水漏れするような痕跡はなく、不愉快きわまりなかった。私たちは、定期的に言いがかりで補償を言ってくるのはやめてくれんかな、と迷惑な気持ちを引きずっていた。

しかし、この夜は逆転、最悪にもゲゲンチョにも、現実になってしまったのだ。
ありったけのシーツで水を吸い取りながら、夢なら醒めてケロと願う。

応急処置で憔悴しきったNちゃんは、階下の家に、報告と謝罪に行った。
帰宅したNちゃん語録はこうだ。「地獄絵図よ」「ああ。このままなにもかも放り出して、どこかへ消えたい」
宿敵に頭を下げる苦痛は計り知れないもののようだった。
私たちの床の水吸い作業は夜中3時まで続いた。下水が上がって、悪臭で頭がくらくらする。

それでもどっこい翌朝は運動会なのである。
弁当のごはんは、米に水を入れ、洗って、便所に流して炊いた。最悪だ。
あとはほとんど水をつかわず、弁当は完成したものの、洗い物の山はこれまた地獄絵となった。

運動会の翌日、管理会社と水道工事業者が来た。
詰まりをとってくれるだけで短時間完了するはずの工事は、長年で腐食しきった配管を簡単に突き破ってしまい、さらに今度は床からもみるみる汚水が染みだす大惨事となった。作業も「後日」、床下の腐食配管全ての取り替え、と管理会社の保障不手際も露呈する大変な工事になってしまった。今までも腐食配管から染みだしていたかもしれないという。だとすると、前の階下のおじさんの一件は、言いがかりではなかったのかもしれない。

b0053867_1965380.jpg工事の詳細はともかく、トイレが唯一の流し場となったこの家は現在、とにもかくにも家中に悪臭が充満し、発狂寸前なほどに悲惨だ。工事現場の簡易トイレのような臭い。鼻が曲がりそうだ。

ハエが家に数匹入ってきて、それを必死に外に追いやっていると、Nちゃんが笑った。美人のNちゃんがこんなハエがブンブン飛んでいる家にいるなんて、心が痛い。私が金持ちならなぁ。なんとかしてやりたい。つられて笑ったが、ふと涙が出そうになった。ハエ、頼むからうちで絶対卵産まないでおくれよぉおう。

しかし、凹んで泣いてはおられない。
宿敵にお詫びに行ったりしたNちゃんの方がずっと辛かろうと思った。
「水周りが悪いとさ、運気も下がるって言うじゃん。だから、詰まって出た分、これからどんどん運が上がるさ!」なんて励ましを言ってみた。

Nちゃん曰く
「私ね、今までの人生の中で、今が最高にいいし、一番幸せなんよ。なによりまず食べていくことに困ってない。健康で好きな仕事できて楽しい。お金もたくさんいらないし、悩むことがなーんにもないもん。だけん、こんなことぜーんぜんヘッチャラ。」

この一言で救われた。ハエもどこかへ行った。Nちゃんはこの家の女神だと私は思った。
[PR]
by na-boo | 2009-06-09 21:00 | 日記だび
くーちゃんハウス
b0053867_15352995.jpg
b0053867_15353811.jpg
b0053867_15354766.jpg
b0053867_15355455.jpg

[PR]
by na-boo | 2009-06-08 15:37 | 日記だび