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花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ=井伏鱒二=
by na-boo
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同胞、七之助。
 少し前のことになるが、ビール党員の同志、U隊員と飲みに行った。その日、私はとってもシャンとしたらしい。U隊員の証言は「普通だったよ」、だ。
 しかしN部長に「まさか寝てるんやないやろな」という爆弾メールを送っている。「まとも」でも「普通」でもなく、やっぱりあの日も酒の後押しによる異常な悪ノリモードだったようである。

Fさんと野Gさんが来たのは覚えているが何を話したかは覚えていない。社会においての上下認識があった会話をしたのだろうか。そう信じたい。そう自分を信じたい。

 私はその肝心な部分の記憶は失くしているのに、朝方にみんなと別れタクシーに乗ったあとに自分の家がわからなくなり、途方に暮れたことは覚えている。
 私の家はJR電車の駅周辺の商店街の中にある。それなのに、私は線路の向こう側をずっと歩いていて、なかなか線路を渡れないでいた。
 どんどん家が遠くなり、泣きたくなった。ただ、ひたすら南極をさまようように、朝の道を千鳥足で歩くしかなかった。
 私はなんとか自宅に帰ってきていた。昼過ぎまで泥のように眠った。


昨日、テレビで歌舞伎役者の中村勘九郎さんの次男、中村七之助さんが逮捕、というニュースを観た。かわいそうに。有名人は気の毒やん。

事件は博多風に解説するとこう。

  (背景:タクシーに乗り、寝る。七之助、吐きそうになる。)

運転手:「アンちゃん。吐くとなら、いったん降りてくれんね」
 
 (七之助降りる。そのまま千鳥足でどこかへフラフラと歩く。)

運転手:「ほらほら、危なか。いったん車に戻りんしゃい」

 (七之助を抱える。七之助ビックリして千鳥足で逃げる。)

運転手:「なんねー。金払わんとねー。なんば考えとっとな。こっちも商売しよっとばい。酔っぱらいは、やけん好かんちゃん。弱いもんば困らせんでくれんね。交番のあるけん、そこで話ばせんね。」

(交番と聞いて少し正気に戻った七之助、動転してさらに千鳥足で逃げる。そこでおまわりさんに捕まる。)

七之助:「俺はなにもしとらん!!!!!」
ボカリと警官を殴る。ああ、ついに公務執行妨害。

------完------

 確かに。確かに。七之助はなにもしていないのだ。
わかるよ。わかるよきょうだい。

 しかし、吐きそうな人間をまた乗せるほど博多のタクシーはマヌケではない。
 一度、車に吐かれると、その日の商売は終わりなのだ。私の乗った時間は夜の人から朝の人へ交代の時間。今から商売、ってときにそんな不幸なメにはあいたくないハズだ。

 私は先日、タクシーから道中つき降ろされ、さまよい歩いたのだろう。
きっとそうだ。謎が解けた。
by na-boo | 2005-01-31 20:54 | 呑んだくれのたわごと
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